
| 所在地 | 〒959-0161 新潟県長岡市寺泊竹森1411 |
|---|---|
| 設立 | 1918年(大正7年)3月 |
| 代表取締役 | 代表取締役社長 渡邉 広之 |
| 業種 | 製造業 |
| 資本金 | 9,500万円 |
| 従業員数 | 146名(男性92名/女性54名) (平成23年12月現在) |
| ホームページ | http://www.suzutami.com/pc |

お話を伺った 渡邊 広之 社長
日曜日 朝のTBSの人気番組に長岡のものづくり企業が紹介されました。それは寺泊にある鈴民精密工業所。そう言えば、長岡のものづくり企業の中でも一目置かる存在と言うのはこの事業を進めて行くうち、いろいろなところで耳にしていました。その秘密は何なのか?!ドラえもんの鈴のような愛らしいマークも気になります。 本日は株式会社鈴民精密工業所をピックアップ!
創業は1918年(大正7年)、創業者の屋号だった鈴民を社名としスタートしました。JUKI㈱のグループ会社であり、JUKIとJUKIのグループ会社で売上の半分を占めています。

工業用ミシンの糸切り部分の組み立られた製品
主力製品は刃物製造でアパレル業界(工業用ミシン)刃物の種類と生産量では世界一の規模を誇っています。その他 精密加工部品、鍛造品、船外機エンジン部品、バルブ等の製造で多くの企業と取引させていただいています。
強みは鍛造注1加工から、機械加工、熱処理、研磨・研削、組立・検査まで社内で一貫生産しているため、他人任せにしない責任生産で高品質を保証できるところです。
注1 鍛造:金属をハンマーなどで叩いて製品をつくること。
技術進化と品質向上のため、人材育成を組織的に取り組んでいます。国家認定の技能士と社内認定の技能士と2つの技能士制度があり、従業員の50%以上が国家技能士で構成された技術者集団です。
と、言うのも、工業用ミシンは多品種小ロッドが多い製品です。同じものを大量生産というのは中国など海外生産が強いのですが、段取り変更などの変化があると途端についていけなくなります。そういう部分では技術力で勝る日本がまだまだやっていけますし、更に刃物と言うのは、ただ尖っていて切れるものであればいいわけでなく耐久性がなくてはいけないものなので、高品質な製品で他国製品、他社製品と差別化を図っています。
また、社内だけと言うことでなく、国家技能士の試験会場として会場提供するなど長年に亘って協力したとして、昨年11月に厚生労働大臣より表彰もされました。

世界ブランドの鈴マーク
創業間もなくしてから会社のブランドマークとして採用されたようです。JT(日本たばこ産業)のデザイナーの方と聞いています。
当社のアパレル用刃物はこの鈴マークの付いた赤い箱に入れて出荷されます。“赤箱の鈴民”として世界共通のブランドとして認められています。それゆえにこの赤箱を中国で模倣もさたこともありました。現在はJUKI㈱の知的財産部門で監視しています。
36%が女性社員です。職種も現場(部品の組み立てや・研磨・試作・品質管理など)のものづくりに携わっている女性がほとんどです。ここまでものづくりで女性の多い職場は珍しいのではないでしょうか。実は私(渡邊社長は10月~JUKI㈱より社長に就任)も、女性が多くて感心している一人です。
当社は取り扱い製品が小さいですし、教育制度や福利厚生が充実していますので、女性が働きやすい職場と言えるのではないでしょうか。
――――― すごい女性社員がいるということですが…
はい、品質保証で現在課長をやっている大越栄美子さんです。工業技術などの分野で、優れた技能を持った「現代の名工」に全国最年少で女性名工として選出され平成11年に労働大臣より表彰されました。当時37歳での受賞でした。
その4年後の平成15年秋の叙勲ではこちらも最年少での受章となったのですが、黄綬褒章をいただきました。当時もマスコミ等に取り上げられ反響は凄かったのですが、昨年 『がっちりマンデー』というテレビに当社と共に取り上げていただき、再度大きな反響をいただきました。
まず、地元企業に就職したかったというのがありました。鈴民の会社名と場所は知っていましたが、詳しいことは知らず、合同企業説明会で見つけて調べたら、資格取得に力を入れていることを知り、資格を取得したいと思い応募しました。
地元企業ですが、就職活動をしなければ世界中に製品を供給している凄い企業というのは知りませんでした。

入社して3年目の近藤さん
現在の仕事は?―――――
製品の品質検査をやっています。製造部門から出来上がってきた製品が規格通りに作られているか検査する仕事です。数字が好きなので、細かな計算のあるこの仕事は自分に向いていると感じています。もうすぐQC検定(品質管理検定)を受験するのでそちらも合わせて取り組んでいます。
やりがいはどんな時感じますか?――――
出荷前の製品検査という責任ある仕事ですし、細かい不良等見つけ、上司にほめられた時は嬉しいです。
先輩としてアドバイスをお願いします――――
(企業選びの際に)自分が育った「地元で 役に立ちたい」と考えて仕事を見つけるのも良いのではないでしょうか。知っている会社だけでなく、いろいろな会社や業界を調べてみることはとても大切だと思います。

全国でも数名しかいない女性特級機械検査技能士の大越さん
現在の仕事は?――――
出来上がった製品の、品質保証・品質検査の仕事をしています。
国家資格である、機械検査技能士の特級をお持ちということですね。――――
2級までは先輩に受けてみないかと誘われて、やってみたら合格しました。1級からは社内の女性で受験した人がいないと聞いて疑問に思いました。チャンスがあるのだからやりたいと自ら思って挑戦したら合格できました。
その後、それまでなかった特級ができたため、自分の力を試してみたくて受験しました。原価管理、日程管理等の管理者としての項目もありましたので難しかったですが、合格することができました。
若者にメッセージをお願いします――――
やってみることで道は開けます。まずは挑戦してみることが大事だと思います。
最初から できないと何もせずに諦める人がいますが、やってみてダメだったら諦めればいいことで、やらないで諦めるものではないと思います。
女性が活躍されていますね ――
製品が小さな品物ですし、女性は根気があります。自分に向いたところを見つけてやっていかれれば良いと思います。

組立られた製品の性能をチェックする女性社員
ものづくりの各企業から一目置かれる存在の鈴民精密工業所。ものづくりをわかっていないど素人の私にはその理由がわからなかったのですが(すいません…)、訪問させていただいて分かりました。
“企業は人なり“のまさにそれで、技能(プロ)集団であること。中国や他社とその技術力で差別化を図っているという自信に満ちた発言に、ここは凄いなと感じずにはいられませんでした。
そして、一社で何でもするという一貫生産ですが、全国的に見ても稀だそうです。他社に頼らない分、全行程で高品質を保証、他の追随を許さないオンリーワン企業の理由はここにありました。
そして、ものづくりの現場に女性が多いのもこちらの特徴です。インタビューさせてもらった大越さんですが、物腰の柔らかいほんわかした雰囲気(家に帰れば3人のお子さんのお母さんだそうです!)にひた隠した技術力は、日頃からの努力の賜物なのは間違いないです。特に女性社員にとって、同性の凄い上司がいるというのは目標になるし、会社社員一丸となり切磋琢磨し技術を磨いているその職場環境は自己向上という面でも素晴らしい。
世界のアパレル業界を影で支えるすごい企業がここ長岡にありました。