
| 所在地 | 〒940-2126 新潟県長岡市西津町3806番地1 |
|---|---|
| 設立 | 1906年(明治39年) |
| 代表取締役 | 代表取締役社長 渡邊 泰崇 |
| 業種 | サービス業 |
| 資本金 | 2億2100万円 (2010年3月現在・グループ全体) |
| 従業員数 | 1430名 (2010年3月現在・グループ全体) |
| ホームページ | http://www.wash.co.jp |

総務人事部 採用担当係長 島倉 富輝 氏
長岡市のホームページで気になる記事を見つけました。東北地方太平洋沖地震で長岡市内に避難してきた方達の洗濯物をクリーニングのワタナベグループが、無料で洗濯していると。長岡市内の避難所の数は18か所、3月中旬の人数が1,000人超でしたので、おそらく凄い量で管理も大変だったと思います。そんな支援を1カ月以上にも亘って続けたワタナベグループの事、ちょっと覗いてみたくなりました。
本日はワタナベグループ・総務人事部の島倉富輝氏にお話を伺いました。
クリーニング事業を主体に成長してきた15社から成る企業集合体です。
明治39年渡辺西洋洗濯店から創業し、今年で創業106年を迎えました。

ワタナベグループの母体はクリーニング事業で、ホームクリーニング事業、リネンサプライ事業、ダストコントロール事業が3本の柱となっています。
簡単にまとめると、「ホームクリーニング事業」は渡辺ドライ、ニューワタナベなどニーズにあわせて5社で展開しています。
「リネンサプライ事業」はホテル・病院・航空機関連等のシーツやタオル、ユニフォーム類のクリーニング付レンタルを行っています。渡辺リネンとエヌテーアクアツインズのこの2社は連携し運用しています。
「衣類以外のクリーニング事業」は布団、カーペット等生活衣住空間のクリーニングを行います。
「ダストコントロール事業」はダスキン製品・新潟県内41加盟店全てを取りまとめています。
「フードサービス事業」はミスタードーナツ運営、ミネラルウオーターの製造宅配を行っています。
「レンタル事業」はダスキンレントオールとして、一般レンタル以外にも、例えば長岡まつり花火大会の桟敷席の設置も行っています。
そして「その他事業」としてオリンピック選手を輩出しているスイミングスクールや、損害保険代理店など様々な事業を展開しています。
リネンサプライ事業は病院、日帰り入浴施設、ホテル、ゴルフ場、娯楽施設、営業介護施設、航空機関連、レストラン、各種外食産業、食品製造業、医薬品製造業、運輸業などです。
具体的には話せませんが、国内一番人気のテーマパークの周辺ホテルのリネン、ユニフォーム等は全て当社でやらせていただいています。
————関東圏のリネンを新潟に運び込んでクリーニングされているそうですが、どうしてですか?
まず、都内から千葉、茨城の工場に運ぶのには大きな車が使えない為、何往復もしなくてはいけませんでしたし、渋滞や事故が多かったのです。リネンサプライの使命は安定供給です。だから関東工場で洗っていた時はヒヤヒヤでした。であれば、高速も近いという立地にお客様がありましたから、大きなトラックで夜中新潟まで運び、洗うようにしました。
安定供給できるようになっただけでなく、新潟で売上が出来、雇用も生まれました。本当の意味での地域貢献です。更に地元を活性化したという功績で、一昨年、新潟県経済振興賞をいただきました。
ホームクリーニング事業については、季節・素材・急ぎの物等、様々ありますが、入荷の時は全て一緒に届きます。それをまず 振り分け、洗い、乾燥、仕上げ、包装、出荷、という流れになります。リネンサプライも大体一緒です。
渡辺ドライの営業職は一日100件程度ご家庭を訪問します。月曜日回収したものを木曜日に。火曜日回収したものを金曜日にお届けするサイクルで顧客数は約300件のお客様を受け持っています。
ニューワタナベのお店で言うとお客様1人1点、2点のお持ち込みで、1工場この時期で一日約3,000点弱、繁忙期の4月~6月だと5,000点弱の物をお預かりし、クリーニングしています。
———————– すごい点数ですね。信頼されているからこその数字ですね。でも管理も大変ではないですか?
当社は他社にはない、独自の管理システムを導入しています。洗濯物一点一点にバーコードを付け管理しています。何が一番の目的かと言えば、紛失が絶対にないようにすること。そしてこれにより、工場でエリアごとに機械が自動で振分け配送されるなど作業効率が格段に上がりました。新潟と六日町工場以外に採用されているシステムです。
そしてもちろん、品質へのこだわり。ドライクリーニングの洗浄液(以下:溶剤)は無色透明なものです。カートリッジで濾して繰返し使うのですが、その溶剤の管理は他社よりも厳しく徹底して行っています。
今は人事という仕事をしていますから面接では応募した方がその職種で働いている事をイメージした面接を心掛けています。もし、その方がその職種で不採用だったとしても、グループ会社ですので他の職種で採用できないか?広い目で応募者を見るようにしています。そこはグループ会社の良いところではないかと思います。
人事の前はフードサービス事業に所属していました。ミスタードーナツの店舗では品質へのこだわり、商品の品揃え、売上には本当にこだわっていました。
そしてクリーニング事業ですが、とても奥が深く、吸収することがたくさんで、日々勉強でした。
社内に提案制度というものがあり、正社員からパート社員まで全員が業務や売上を改善する提案を紙に書いて提出してもらいます。この提案をどんどん出してくれる新人社員を期待しています。
入社して何年も経っている私たちは何かおかしいところがあっても、気が付かない。しかし、新入社員はおかしいところをおかしいと感じてくれます。一人年間6件以上提出してもらいますが、新入社員が年間優秀提案賞を2年連続で獲得しています。
“今がベストではない”その意識を常に持っているかどうかで提案は出てきます。それによって評価も変ります。出すのが当たり前。出さないのはマイナスです。
合同企業説明会やお電話を通じて、会社に興味を示してくれた方には、まずは個別に会社にお越しいただいて、実際に市内いくつかの事業所を見てもらいます。ほぼアポなしで行きますので、良いところも悪いところも普段のままの現場そのものをお見せしています。希望があれば何度でもお連れします。それで理解を深めていただいて、納得したうえで応募、入社していただいています。そのせいか入社後定着率が高い。ミスマッチが少ないのが特徴と言えます。
グループ会社各社から求人をまとめて、グループ全体の求人を一括で採用しています。最初から職種の希望は聞きません。学生が迷っている時は助言します。そして人事の目を通しておおよその配属の枠で社長面接に進み、内定を出します。が、職種は本人にはまだ伝えません。入社後の座学研修と現場研修で更に適性を見極めて、各部署に配属、辞令を出します。希望があった場合は考慮しますが、最初から希望通りの配属はまずありません。入社後、数年経ち実績を積んでからというのがほとんどです。
————– グループ企業内での配置替えもあるという事ですか?
頻繁にあるわけでないですが あります。
各部署で“グループナンバーワン”という目標を掲げて1年間取り組む制度があります。例えば私の部署では昨年は“挨拶ナンバーワン”。今年は“提案制度ナンバーワン“です。
グループとして個々にテーマを持って取り組んでいるので、全社的に雰囲気はバラバラかもしれませんが個性があります。そして、全体的に女性が多い職場ですので賑やかです。どこに行っても。
あと、グループ全体では年1回、800名の規模の新年会を開催しています。同じ日の午前に研修会を行っています。その中で、先に話した提案制度の表彰式も行っています。

どの事業も社内からこれをやっていこうという事で始まった事業はありません。全ての事業がご縁や、お客様のニーズに応える形で始まったものばかりです。例えばスイミング事業ですが、いろいろなお話をいただいて、現会長が紹介された冬の京都のスイミングスクールに視察に行きました。あちらも冬は寒い地域ですが、子供たちがイキイキと遊ぶ姿を見て感化され、長岡の子供たちの為にという事で始めたと聞いています。それが丁度グループ創業80周年の記念事業でした。
———— それがなかったらオリンピック選手も生まれなかったのですね。
結果的にそうですね。その時の種まきがあったからですね。
クリーニング事業からいろいろやり始めました。いろいろやっているから派手に見えて、何をやっているのかわからないかもしれませんが、今までお話ししたように結果的にそうなっただけで、事業一つ一つは地味なのです。“知らないところでうちのサービスを利用してもらっている”で良いのです。ですので、私どもに興味のある学生は実際に来て見てもらう。来てもらわないと伝わらないのです。
自分もUターンなので… おそらく実家がこちらならいずれ戻ってくると思います。
こっちは自然が豊かで水が良い。食べ物がおいしい。道路事情が良い。など、私はそういうのを早く感じたので早く帰って来ました。
若いうちはいろいろ経験したい。それは良いことだと思います。長岡を離れた人は、長岡の良さをより感じることが出来るはずです。いずれ帰って来るのなら、地元に貢献できるのなら、(当社とご縁があれば良いのですが、)一緒に長岡を盛り上げていってほしいと思います。
そして、最近の若者は元気がない。これからの日本を創っていくのは若者ですから元気は出してもらいたいですね。元気といったらまず大きな挨拶がすごく大事なことだと思います。合説などで私たちはよく見ています。一緒に働くのは私達ですから、挨拶だったり、待っている時の態度だったりは気になりますね。
冒頭の被災者の洗濯を無償で引受けた事ですが、取材等は全て断っていたそうです。「そういうつもりでやってきたのではないので」と。ワタナベグループだからできる素晴らしい活動だと思いますので、私個人としてはこういったCSR活動に当たる取組はPRするべきだと思うのです。なので… 半ば無理やり掲載させていただきました。
ワタナベグループに興味を示してくれた学生には、実際に働く姿をイメージできるまで個別に見学してもらい、納得したうえで応募・入社していただいているという事。実際ワタナベグループの若年者の離職率は他社と比べてとても低いそうです。応募を検討している企業に学生から何度も見学させてくださいとは言いにくいものですが、本来自分が働きたいと思っている企業を理解するには実際の現場を見て、働く人から話を聞くことがベストですよね。お互いにメリットのあるこの取り組みはとても良い事だと思います。他の企業にも日常的に行ってほしいですね。
そして、グループ間での異動もあるという事。衣食住全てのフィールドに展開するワタナベグループですから、やる気次第で新しい事に挑戦するステージが揃っています。